Dokkai N4 bai 41 (長文)

「そぼからの プレゼント」

私の そぼは※明治時代(1868~1912年)に 生まれた。10さいから ほかの 家で 働かされて いたので、学校に 行かせて もらえなかった。だから 長い間、字を 読んだり 書いたり できなかった。そぼが 字を 習おうと 思った とき、もう 70さいを すぎて いた。その 年に なって ひまな 時間が 持てるように なったのだ。そぼは※孫に 教えて もらいながら 1つ 1つ おぼえて いった。年の せいで すぐには おぼえられなかったが、毎日 毎日 続けた。そして 時間は かかったが ひらがなを ぜんぶ おぼえて しまった。それから かたかな、漢字と つづけて いった。

そぼは 字を おぼえても すぐに わすれた。その ため ひまさえ あれば 紙に 字を 書いて いた。そんな そぼが 私は とても 好きだった。

ある 日 そぼは「たまご」を 漢字で 書くと「卵」と「玉子」の2つ ある けれど、どちらが 正しいのかと 聞いて きた。どんな ことでも 分からない ことを すぐに 質問する そぼを すばらしい 人だと 思った。今でも たまごを 見ると、その ときの ことを 思い出す。

だから いつも 思い出すのは 勉強して いる そぼだ。そぼは ことばでは 何でも 言わなかったが、いくつに なっても 勉強する ことは 大切だ、何さいでも 勉強できる、また 勉強の きかいが あるのは いい ことだと、教えて くれたような 気が する。

けれども 私は 勉強が 好きな 子どもでは なかった。漢字の 試験が あした あると 分かって いても あそんで いて、半分ぐらいしか できなかった。学校で 先生に おこられて 立たされたり のこって 勉強させられたり する ことも あった。

しかし 50さいを すぎた 今、私は なぜか まだ 勉強を つづけて いる。今は 勉強が いやではない。 こんな 自分を 見て、そぼの おかげかなと 思う ことが ある。あの ころ そぼに 字を 教えて いた ※いとこたちが、みんな 学校の 先生に なって いる。いとこたちも また、そぼから プレゼントを もらったのだと 思う。

 

※孫:子どもの子ども

※いとこ:おじやおばのこども

 

問題1 どうして おばあさんは 字を 習い始めたのですか。

1 孫が 字を 教えられる 年に なったからです。

2 孫に 字を 教えて やりたかったからです。

3 子どもの ころ 習った 字を わすれない ためです。

4 70さいに なって 時間が できたからです。

 

問題2 この 人は どんな 子どもでしたか。

1 おばあさんの おかげで よく 勉強する 子どもでした。

2 勉強した ときは 試験が よく できました。

3 勉強が きらいで よく 先生に しかられていました。

4 学校に のこって 勉強する ねっしんな 子どもでした。

 

問題3 この ひとが おぼえて いる おばあさんは どんな人でしたか。

1 何でも 知って いて わからない ことを すぐに 教えて くれました。

2 いつも 勉強して いる すばらしい ひとでした。

3 学校に 行く ことが できない かわいそうな 人でした。

4 子どもの ころから 勉強したかったので 70さいから 始めた りっぱな 人でした。

 

問題4 おばあさんは 何を プレゼントして くれたのでしょうか。

1 勉強する ことが 大切だと 教えて くれた ことです。

2 勉強で いい てんを とる ことが 大切だと 教えて くれた ことです。

3 教える ことが できる ことが 大切だと 教えて くれた ことです。

4 先生の 仕事は 大切だと 教えて くれた ことです。